馬頭観音
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【馬頭観音】


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菩薩の話(観音族)


馬頭観音

観音といえば、穏やか、癒し系の代表格ですが、中には、むちゃくちゃ怖い系 の観音もいたりします。

しかし、その前に…何でこんなに観音って多いの?…という素朴な疑問があるんじゃないでしょうか。
(前にも書いたかもしれませんが、途中から読まれている方のために…。)

私は疑問がありました。
というか、いろんな観音は全然別の観音だと思ってましたからね。
実は、観音族という種族がいて、その中の誰々は聖観音〜
誰々は、千手観音…、誰々は十一面観音…そんな、ものかと。

しかし、ほんとは違うんですね。
観音菩薩は世界に一人しかいなくて、これらの、千手や、十一面やらは、一人 の観音菩薩の多面的な能力や働きを、わざわざ、一つ一つ取り上げて、造形化 していったものなのです。

わかりやすく例を挙げれば、一人の人間の絵を描くとして、
その時モデルが喜んでたら…喜んでる人バージョン
苦しんでいたら…苦しんでる人バージョン
怒ってたら…怒っている人バージョン

の三枚の絵が描けます。
モデルは一人なのに…全然違う絵が三枚。
まあ、こういう理屈となります。


さて、今日の観音は、中でも怒っているバージョン、 ズバリ「馬頭観音」です。
馬頭観音って、観音っていわれてもしっくり来ないんですよね。
個人的には。
何でかといえば、多分怒ってるからでしょう。
観音は癒しの代表格ですから、なんだか違和感が…。

ともあれ、もともと、インドでは馬の神格化が盛んだったようで、 古代インドで、悪蛇を退治するバイドウヴァ、太陽の車を動かす、エータシャ、 ヴィシュヌ神が馬頭に化身する神話など、数多くあり、これが馬頭観音の成立 の下地になっていると言われています。

本名は「ハヤグリーヴァ」早そうな名前ですが、他にも、
馬頭観音
馬頭明王
馬頭大士
大力持明王
忿怒持明王
…などといわれます。

ところで、この名を聞いた時点で、
ん?明王?と思いませんか?
明王といえば、不動明王やら五大明王やらがいますが、あれと同じなの? 観音なのに…?

そうなんですね。
その怒っている姿を見せることにより、様々な魔障を砕き、悪趣の苦悩を断 つ…と経典にありますが、これはほぼ、他の明王と同じものです。
観音、ついに明王の縄張りにまで侵食するか!
というような勢いであります。

まあ、観音といえども、怒ることもあるでしょう。
さて、この馬頭観音、信仰自体は古く、六観音のひとつにもなってるんです が、像も少なく、メジャーではありません。
やはり、観音に怒っている姿は似つかわしくないということでしょうか。

もっとも、六道のうちの畜生道を司るということもあり、近世になってから、 馬や、家畜の守護神という、本来なかった信仰で、大人気になってしまいま した。
そうきくと、本当は由緒ある歌舞伎の役者なんだけど、お遊びでやった手 品で、人気が出てしまって、結局、みんなから、手品師だと思われるよう になってしまった、というような…そんな、おかしみがあります。

今でも、農家の家先や道端などに結構、たくさんの石碑が残ってたりしています。
田舎に住んでいたら、誰でも見たことはあるんじゃないでしょうか?
私なども、茨城の過疎地帯に住んでましたが、学校の行き帰りに 大きな石碑の前を通っていました。
ちなみに最近は競馬場にまであるようです。
ともあれ、人気があるっているのは、良いことだと思います。

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   ■馬頭観音の姿について

一面二臂
三面二臂
三面四臂
三面八臂
四面二臂
四面八臂

…など、たくさんの姿があります。
これは、ちょっと多すぎですね。

また、多くの像は全身真っ赤な上に、額に第3眼があります。

全身が赤い菩薩は、もう、この馬頭観音だけです。
正直、菩薩というより、ほとんど明王化しており、馬頭明王と呼ばれることもあるようです。

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■ 有名な馬頭観音


□ 馬頭観音の国宝

□ 馬頭観音の重要文化財

馬頭観音の重要文化財は6体あります。


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