不動はサンスクリット語で、アチャラもしくはアチャラナータと呼ばれ、
動かないことを意味することから、「不動」と訳されました。
動かない仏なんです。
でも、別に怠けものっていうわけではないんですよ。
なにせ、走り不動とかいうものもあるぐらいですから。
古代インドでは、シヴァ神を意味するものでしたが、仏教に取り込まれてからは、密教において、大日如来の化身として、明王のなかでは最高の位を与えられました。
また五大明王の親分格でもあります。
背中に”三毒を喰らい尽くす伝説の火の鳥”(※迦楼羅)を背負っている姿は
正にラオウ!
最強伝説を爆進中。
菩薩が良い子専門に救済するとしたならば、
明王は不良専門といった役どころです。
もっとも、
月に代わってお仕置きよ!
というレベルじゃ済まないだろう…とは思います。
また、龍に変化することもあり、
倶利迦羅竜王として、たまに造形されていることもあります。
この姿、龍が剣を飲み込もうとしている姿で造られますが、そうと知らなければ、
不動明王とはわからないでしょうね。
曰く、不動明王が仏教以外の徒と論争したときに、
相手が魔術によって、剣に変化したわけです。
それに対して、不動明王は龍に変化して飲み込もうとしたという…
そこだけ聞くと狸と狐のような化かし合い合戦なのですが、
仏教の他の宗教に対する優位性をそんな風に表現しているわけです。
※迦楼羅(カルラ)
八部衆にもいます迦楼羅天。インド神話だとガルーダです。
【姿 】
【眷属】
不動一家は、矜羯羅と制多迦など八大童子、その他大勢の組員で構成されています。