准胝観音の「チュンディ」(じゅんてい)は清浄と母性を意味し、准胝仏母などとも言われます。
ショック!
観音って男なのに、なんだか子供まで生んでるし。。。
ほかの名前にも「七倶胝仏母」などととよばれ、やっぱり仏ママぶりを
あらわしております。
七倶胝の意味は無量無限大!
ずばり、数え切れないほどたくさん…星の数ほど多い仏の母、守護者という
ほどの意味のようであります。
宇宙規模の子だくさんです!
観音って何者でしょう…?
男か女か?
はっきりしないなぁ。
まったく。
もっとも、この准胝観音、他の観音とは大きく成立が異なっております。
他の観音は、大体インド生まれのようですが、
でも、この観音だけは仏教思想の中から教学的に生まれた仏のようです。
ご利益も、そんなにないんですよ。
というか、インド生まれの仏は、庶民の願いを聞きつつ、さんざん、ご利益を
付加されて成立するわけですけど、なにせ、仏教思想の中から生まれた仏です
から…、庶民の願いとはちょっと違ったところに成立したわけですね。
ちょっと、象牙の塔チックな仏です。
基本的な役目は仏母なんで、「仏母准胝陀羅尼」を唱える行者を守護するのが、そのお仕事。
ちょっと、仕事少なすぎやしないか!
そんなわけで、後に、真言宗では様々なご利益を増やしていき、最後には6観音の一体にまで、納まってしまうわけです。
口悪く言えば、仏ママご利益のパートタイムを始めるように見えなくもないですね。
とはいえ所詮パートタイム、時代が下るにつれ、安産や子宝のご利益を強調
しつつも、なんだか、波に乗れずに、あんまりこの仏の信仰は広まりません
でした。
そんなわけで、絵画、彫刻、ともにあまり残っておりません。
さて、この准胝観音、経典の中では「准胝仏母」「七倶胝仏母」の名で書かれ
ているため、一部では観音じゃなくたんに「仏母」であると
されたりすることもあるようです。
観音が、男か女か?
という話ではなく、准胝観音がもともと観音か否か?
と言う話からする必要があるんですねぇ。
話、戻りすぎです。
ちなみに付け加えると、仏像にはへそのある奴とない奴があるんですよ。
へそがあるのは、へその緒があったと言うことですよね。
多分、お母さんがいたんでしょう。准胝観音かどうかは分かりませんが。
今度、よく見てみてください。
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■ 准胝観音の姿について
准胝観音の形は、日本ではほぼ、一面三眼十八臂で統一されておりま
す。
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【日本の重要文化財】
(※准胝観音の国宝は存在しません。)
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重要文化財
木造六観音菩薩像
彫刻・重要文化財・京都・大報恩寺