左)仏手柑(ぶしゅかん)
右上)桃
右下)石榴(ザクロ)
世の中には奇妙な果物もあるものですね…。
で…仏教。
仏教の場合、ザクロといえば、鬼子母神。
ザクロを持物にもっている仏像といえば、鬼子母神だけです。
そういうわけで、鬼子母神の御利益といえば、基本的に、お産や子供の守り神
だったりします。
元々の名前はサンスクリット語で「ハーリティー」暴走族的には“訶梨帝”
(かりてい)などと書きます。
他にも…訶梨帝母、訶利底、青色鬼、大薬叉女ともよばれるようですが、大体
は鬼子母神と呼ばれるの一般的です。
形はふくよかな美人から、鬼ばばぁの大体2種類。

◇ ←美人の方の鬼子母神像です。
ほとんど、マリア像と一緒。
さて、この神様は実は…吉祥天の母といわれます。
さらに、鬼神王般闍迦の奥さんで子供が500とも1000とも10000人
いたとも言われます。
凄まじい子だくさんですねぇ。
しかも、結構、偏愛していたようです。
なぜなら、
鬼子母神はこの愛する子供たちを育てるため、人間の子供をさらって食べてい
たようなんです。
子供に食べさせてたんだか、自分が食べて栄養をつけた上でお乳をあげてたんだかはよく分かりませんが…。
何も、人間の子供でなくとも良い感じはします。
…ともかく、子供に直接食べさせてたら…イヤです。
憧れの吉祥天も人肉食いになってしまうし。
人間の方も、子供をさらわれたんじゃたまったもんじゃありません。
お釈迦様に相談です。
で、お釈迦様は一計を案じ、鬼子母神がもっとも可愛がっていた一番下の子供
の姿を神通力によって隠してしまいます。
…神でも末っ子って可愛いんですね。
鬼子母神は嘆き悲しみ、必死になって探し回りましたが、結局、見つかりませ
ん。
そこで、最終手段として、お釈迦様に助けを求めます。
…苦しいときの釈迦頼み。
お釈迦さん:「あんだけ、いっぱいいるんだから、1人ぐらいいなくなったん
って、別にOKじゃない?」
鬼子母神: 「そういう問題じゃありません!」
お釈迦様:「そうなんだ〜。でも、あんだけ、人間の子供さらってじゃん?」
鬼子母神: 「餌ですから。」
お釈迦様:「いくら餌でも、子供さらうのは親が悲しむよね〜。」
鬼子母神: 「そりゃそうでしょうね。」
お釈迦様:「だから、子供さらうのはやめなよ〜。子供が可愛いことには餌
(人間)と鬼神の間にも変わりはないんだからさ。」
鬼子母神: 「う〜ん。」
お釈迦様:「子供さらうのやめたら、子供返してあげても良いよ。」
鬼子母神: 「さらったのは…あんたかい!」
とまあ、原作とはちょっと違いますが、こういう訳で、
鬼子母神はお釈迦さんの教えを受け、改心し以降は人間の子供&釈迦の教えを信じる人の守り神となったそうです。
すごく、道徳的な話ですね。
で、最初に戻ります。
「果物のザクロって実は…人肉に似た味がするって言いませんか?」
お釈迦さんと、約束はしたものの、たまには懐かしいあの味が忘れられない…
というわけで、鬼子母神は人肉が恋しくなると、ザクロを食べて人肉の味を懐
かしんでいるのだとか…。
人肉って…酸っぱい味ですね…。
ちなみに、ザクロを食べると女性ホルモンが出るそうですよ。