摩利支天
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摩利支天
(マリシテン)


見よ! この勇姿を! 犬なんかに負けられるか!!

※京都南禅寺の傍にマリシテンを奉っている小さなお堂にて…
そこは狛犬じゃなくて、イノシシがいたりします。
結構かわいい写真です。


仏像で摩利支天といっても、正直、あんまり…イメージがつかめないんじゃな いでしょうか?
実際、あんまり「摩利支天像」って見ないですものね。
「摩利支天」をパソコンで変換すると「マリ支店」と出てくるくらいです。
何処の国の銀行の支店ですか。というくらい自然な変換です。

さて、そんな「摩利支天」ですが、もとはインドの風の神でした。
マリシテンの「マリシ」は梵語(Marici)で「威光とかカゲロウ」とかに訳さ れます。
つまり、(陽炎・かげろう)を神格化した神なんですね。
太陽の一部を神格化下という意味では、大日如来の孫とか、親戚筋みたいな感じといえます。

実際、その雰囲気も当たらずとも遠からずで、実は「梵天の子」だそうです。 かなりの実力者の子どもですが…なにゆえにか、影が薄い…やはり、陽炎の化身!
とことん影が薄いのか。

姿は、三面六臂で、正面は菩薩で頭に宝塔を乗せ、左は忿怒の顔、 右は童女の顔…でイノシシに載っているとのことですが、他にもいくつか別の姿もあります。
仏像ではなんとなく男性系天部のイメージがあるのですが, でもねぇ、もともとインド神話では、女神であったようです。

さて、こんな、影の薄い、摩利支天ですが、日本では古来よりごっつい武士の 守護神として尊崇されていました。
なぜなら、結構、武士向きの御利益があるからです。

「隠身の神通力があってその姿が見えないので、縛られず、捉えられず能く敵 を破る」…んだそうです。
つまり!
隠れ蓑をつけながら、敵を攻撃するようなモノですな。
例えるなら、ステルス爆撃機のような。。。
レーダーに捉えられないのに、どうやって撃破する?
正々堂々という言葉は、彼の中にないと言っていいでしょう。

いかに、無傷で勝利するか?
それは、戦国武士にとっても、至上命題だったはずです。
勝っても、怪我がもとで、死んだらイヤですからね。

そんなわけで、ただ、勝つだけでなく、無傷で勝てそうな、摩利支天が信仰さ れたんでしょう…多分。
戦国武士も…かなり、現金な感じです。

ついでに、現代にも通じる御利益は…
人に害されることなく
だまされず
財を取られることもなく
罰せられることも
怨まれることもない…という御利益があるようです。

なんだか、実際そんな人がいたら、いるんだか、いないんだかわかんないよう な人ですね。
というか、御利益がみんな消極的な気がします。
さすが、かげろう。

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