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仏像と国家

日本といえば、2本足歩行ロボットの研究がもっとも進んでいる 国なんだそうです。
理由は…ガンダム世代が研究の第一線になったからだそうです。
恐るべし、ガンダム世代。

仏教が日本に入った頃、仏像を作る技術は、この2本足歩行ロボット並みに 最先端の技術でした。
2本足歩行ロボット並…ちょっとたとえが悪いかな。
ともかく、最先端技術。

今のような、そんな、ちょっと、仏像でも彫ってみようかな…などという そんな、生やさしい気分では仏像は作れません。
もう、渡来人をばんばん呼んで、技術移転、技術輸入! のあらし。
仏像を作るのに、過労死した人もいたかもしれません。

当時(天平頃)は仏教が国家プロジェクトでした。
なにせ、一流国と認められるには仏教国であるのが最低条件でしたから。
当然、仏教も市民のものと言うよりは国家の為のものでした。
仏教は今で言う、国立大学の研究所に近いような施設です。
仏像は一種、機材のような、研究対象のようなものだったかもしれません。 また、いかに、最強の仏を作るか…。
奈良の大仏はその一つの到達点であります。

今でいえば、上手いたとえが思いつきませんが…、
ブラックユーモア的に言えば、核ミサイルに相当するかもしれません。
ポイントは
1.現代、手っ取り早く強国になろうと思ったら、軍事に力を入れるのが早道である。
2.中でも、核兵器は実際の武力以上に象徴的な効果を周囲国家に与えることが出来る。

では天平頃の日本はといえば。
1.手っ取り早く文化国家になろうと思ったら、仏教に力を入れるのが早道である。
2.その中でも、巨大な仏像は(奈良の大仏)は実際の仏教浸透度以上に象徴的な効果を周囲国家に与えることが出来る。
巨大仏像や核兵器をつくる心理的構造は、時代と国家が変わっても、あまり変わらないわけです。

さて、その後、仏教は日本に多大な影響を与え続けましたが、造仏という点では衰退していきました。
流れとしては、
国家事業→ 王族・貴族の事業→ 武家→ 民衆→
仏像衰退の歴史はコレを見ればわかるように、 誰に対して、仏像の威容を発揮するか。というところに比例しています。
今では、食玩などお菓子のおまけになることもあって、愛されているのか受難のときなのかいまいちわからない気はします。


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