如来的変装術
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仏像仏教の基礎
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如来的変装術

変装する仏像達
仏像の尊名、主に如来系はどういう風に判別するか知ってますか?
そう、大日如来の様な菩薩風の仏像を除くとほとんどみんな同じですよね。

釈迦だか阿弥陀だか薬師だか…はっきり言ってみんな見た目は同じです。
像の尊名を判別するのは基本的にその印相で決まります。
印相とはつまり、お手々の形。
釈迦は釈迦の印相〜説法印、降魔印… 阿弥陀だったら阿弥陀の印… 薬師なんか、ダイレクトに薬壺を握りしめています。
つまり、仏像の名前はその手の形で決まると言っていいです。

ですから、単に持物を無くしただけでも…。
「実は俺、薬壺なくしちゃってさ、釈迦に間違われて困るよ。」
などという、愚痴もこぼれ…。

さらに、一歩踏み込んで手を切り落とし、別のもにに付け替えれば…。
「今まで隠してたけど、俺さぁ…ホントは阿弥陀なんだよ。」
「おまえもか、実は俺は誰も知らないけど、釈迦なんだ。」

などという会話が成り立ったりします。
そして、結構、多くの仏像の手が変えられています!!

江戸時代頃は寺の宗派というのは結構曖昧で、寺はその寺にやってきた坊主の宗派になったそうです。
つまり、「昨日まで真言だったけど、今日から浄土宗ね!」とかいうように、ころころ変わったのだそうです。

すると、「えーい、禅宗の寺に阿弥陀なぞいらんわ!手をすげ替えて釈迦にしてくれるわ!」(お坊さん)
「あれ〜っおやめになって!」(仏像)
などというドラマが頻繁に起こったことも想像に難くありません。

そして、そういう苦労をなめつつ今の姿があるわけです。
ですから…、「あなたのお名前は?」などと…単純に名前を知りたくても、なかなか、一筋縄ではいかないことも。
変装してるかもしれないのです。
そんなわけで、仏像を見るときは一緒に手も見ましょう。
ちょっと違和感があったら、別に真の姿を持っているかもしれません…。

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